『ハヴ・ア・ナイス・ホリデー』観劇。

第27班さん

『ハヴ・ア・ナイス・ホリデー』を観ました。


7/9(土)18:00の回。






別件で17時に新宿に到着したら、急遽予定がキャンセルになりまして。


咄嗟に「これ藤木さんの舞台、間に合うんじゃね?」と思い調べたらピッタリ30分前に着くやんってことで新宿からクイッと向かいました。



ナイスな行動力、判断力、事前知識。







藤木さんが出ることとあらすじ以外は情報なく観に行ったのですが。




いざ始まったら




この前観た『下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー 』で見た方が出てきて




『エッ!アレ(ジョンベティ)で好きだった人やん!』


『エッ!またアレ(ジョンベティ)に出てた人やん!』


『エッ!!またアレ(ジョンベティ)に出てた人!!』


『エッ!(割愛)』





というあたりで、

これもしやその劇団の舞台なんじゃと察しました。



ありがとうございます(なんの)。






劇場へクイッと向かってゲリラ的に第27班さん2度目ましてして

「あーこの役者さん達もだしここの舞台も好きだ(Twitterフォローぽちぃ)」



となったので、

急遽キャンセルになった休日も『ハヴ・ア・ナイス・ホリデー』の名の通り良い休日になりました。




チャンチャン







そんなことよりネタバレ感想書くので皆さんさようなら。




先々週引っ越しに向けて新品さながらの「ハイキュー!」と「ギャイキリ」を資源ごみの日に捨てたんですが、ブッカーくんまで付けたキラキラの本たちを売らずに捨てることのなんとも言えない気持ちがあって、でも売ろうとしたらいつまでも引っ越しできないしもう捨てるんだ!と強い意志で捨てました。でもワンピースだけ捨てられずにいるので新居に持っていくかな。





今日のネタバレ前のひとこと、長すぎ。

(毎回、関係ないひとこと書いてます)
















終盤に蜂の女がハチの幼虫(弟?)が亡くなった事を受け入れた時に言った



『あーあ、やることなくなっちゃった』



みたいな一言がとても刺さって。





「あーあ。やることなくなっちゃったよまったく。」



と、自分にも綺麗にスイッチが入ってしまった。




蜂の女にとって、この世界との最後の繋がりであり唯一の意味だったものがなくなった姿が自分含めそこそこの人類にチクっというか、ぶすっと。





あのセリフの後、なんかちょっと照明暗くなって、

静かな何もない時間が流れていて

今思えば自分の世界に移りやすかった気もします。







自分にも少し前までは趣味もあって、すきな人たちとご飯食べて過ごしてたのにね。



もう自分にあったものほぼ全てなくなっちゃったことをわかりつつもなんとなく考えすぎないようにしながら行く必要もないどこかに出かけてただ時間が過ぎるのを待っているだけの休日を何日もただクリアしていた今の自分の虚無感みたいなものが一気に襲ってきた。




前と同じような場所に出かけて、

前と同じように楽しもうとして。


でも本当は楽しくない。



一瞬たのしくてもその反動の寂しさの方がそれを上回ってしまう。





そんなことを考えながら舞台上ではあんなに自分の事は後回しにして活き活きと働いていたハチさんがどんどん弱っていった。




自分もここからもう何もすることもなければ

人と関わることもなくなって


一体いつまで生きるんだろう。



そんな漠然としたズーン。


と。




でも実はそこまでは悲観的でもなくて。



とりあえず何かやろう。と。


まだアレもやりたいし、アレもやれる。

まだもう少し活力を持って生きられる。



という

漠然としたズーンに沈まないメンタルもまだギリ少しだけは残っていて。




そんなアレコレが頭の中をすごいスピードでめぐって

自分の世界からまた舞台の中の世界に戻ってきた感じでしたね。






でもハチさんは景色さんがいてよかった。


ストレートに現実を伝えてくるのも愛情のひとつだった。


景色さんもハチさんがいてよかったね。




遊ぶ男も景色さんがいてよかったし、景色さんも遊ぶ男がいてよかった。



双葉も玉置も土屋さんも瀬戸さんも。



みんなみんながいてよかったね。





もりみさきさんの顔が好き。

(急にどうしました?)









大垣さん演じる玉置はラジオ局からギターを弾きながら歌っていたけど、

"歌のうまい役者さん"という理解を超える高音の心地よさがあって「この人ぜったいなんかやってるわ」と思ったらやっぱりなんかやってました。

(クスリじゃなくて音楽活動ね)


玉置の名に恥じぬ歌声。



ジョンベティに続いて大垣さん好きだったな。

人間としての陰と陽のバランスがすごくいい。




「歌えなくなった」というのも、
わかるというとたぶん玉置の感情すべてはわかってないんだけど

歌えなくなるのはわかる。


人って歌えなくなるよねぇなんか。


演技とか歌とか経験値が増えたらよくなるかと思いきや、場合によっては二度と歌えなくなりますよね

すべてリセットされたらまた歌えるのかもしれないけどそんなのは難しいね

歌える歌えないは生きる生きられないでもあるね。玉置さん、せつなかった。








成瀬さんの双葉は、

人類の中でもトップクラスに綺麗すぎる部分の障壁を自分側から崩している性格の良さがとても好き。


口の悪さや図々しさと自分から人と関わっていく気さくさはたぶんあえてやっていて、

あのビジュアルでも距離を取られることなく普通の生活を送る上で身につけた武器だと思う。

双葉は人の気持ちに正直に正面からぶつかれるいいやつだよぉ。




景色さんと遊ぶ男、
鈴木あかりさんとふじきんぐは、

あーいう結末は人間関係のわりとあるあるではあると思うけど、なんとかなりませんかと思わざるを得ない。


ふじきんぐの下ネタがとてもせつなく
優しくてあたたかくて沁みましたね。


ジョンベティの時もだけど鈴木さんの声質は嘘がなく重みがあるなぁ。


景色さんも自分のこういうとこが嫌いと思いつつ突き通していたし、遊ぶ男もそれらもわかっていて尊重して向き合っていたのにうまくいかないものだ。






土屋くんの玉置さんの骨のラストもホントに笑いながら泣けたね。

双葉の上辺ではない優しさが好きだ。






最後に瀬戸さんが人が死んで生まれる話をしていたけど、とてもしっくりきたなぁ

元々ある論文なんだろうけど。

瀬戸さんが休日というものを過ごして、ハチさんが隣にいて、淡々と読み上げるあの時間好きだった。




箸本さんはジョンベティの愛くるしい役とは別人で最初の方は同じ人だと気が付かなかったです。

普通そうな変な人でした。
みんないろいろあるんですね。






舞台セットの素晴らしさのおかげで、蜂の女やこの街やこの人物たちの名前もスッと受け入れることができてとてもよかった。







蜂の女のところで言った

「やることなくなっちゃった」

の話を掘り返すと、
実際のところハチの働きは農作物を育てる上でも影響があったり、

本人は関わりがないつもりでも間接的にハチに助けられている人間はたくさんいたりして

なんかそういう事まで考え出すと無限に頭の中でストーリーは広がっていくなと思う。




とりあえず不老薬は俺はまったくいらないなぁ。




あと

こんなことを言うと元も子もないけど、

劇団員の方が素敵でそれだけで見てよかったと思えましたね。






さて。



良い感想で終わるべきだと思ったので迷いましたが最後に残念だったことを書きます。


これは第27班さんの問題というかエンタメ界でどうしていくんだろうという話でしかないんですけど


やっぱ別記事で書きます!
見たい人だけ見てということで。



素敵な舞台でした!


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