「セーラー服を溶かさないで」観劇。

12/25 お昼の回
「セーラー服を溶かさないで」を観ました。



我らが秋本雄基さんの舞台をクリスマスなこんな日におじさん1人で観に行ったわけですが、とてもよかった。



事前情報で「えろだ⭐︎えろ」って情報が入っていたからなのか

(誰もそんな"つのだ⭐︎ひろ"方式では言ってなかったんよ)


思ったより全然エロくはなかったなという印象。

直接描写がなかったからかな。




どうしようもない人たちが世の中的には認められなさそうなことを続け、それぞれがある種納得しながら、納得しない部分もありながら、自分にとってはこの悪い状態の方がいろいろ失うよりも良いのかなみたいななんとも言えないどっちつかずの人間臭さとか

当事者たちの良し悪しも0か1ではなく0.いくつもの気持ちが終始渦巻いていてとても人間を描いていて好きな話だった。



良い悪い、0か1かみたいな単純な感情は人間にはほとんど存在しないのに、ヤフコメ、Twitter、TikTok…etcには拡大主語極論ばかりが並んだありもしない非現実世界があったりして

そうした文字に触れることも増えている今、そこに疲れた人はこの舞台上にいる0.いくつもの感情を持ったTHEにんげんたちを見て、それを舞台の中では否定も肯定もしていないのにどこか安心というか心地の良い感覚があったのではないかと思う。自分はあった。



みんなこの0.いくつもの気持ちを抱えて0.51と0.49の狭間でどうすべきか選択しながら生きてさっきまで0.51だった感情が次の瞬間には0.49になってを繰り返している。



自己啓発botに対抗して、ごちゃごちゃ言ったあとに「人よるけどね」とつぶやく"人によるbot"を開発したいくらい、この世の出来事ぜんぶ人によるけれどもと思いながらもそれ前提で話すあるあるネタは好きだったりもする。



芸能人とかへの世間の善悪の大きな声には"迷惑かけてないんだからいろんな人がいてええやんあなたにとって許せなくても"と思ったりもするので、こういうなんというか、少し踏み外す人たちへの肯定劇?みたいなやつは好きかもしれない。

(直接伝えなければ好き勝手言ってても良いと思うし、好き勝手言ってる人たちの声をまとめてわざわざ捏造しつつ発表するマスコミはホントに嫌い)



なんの話かわからなくなりそうなので細かい話しよっと。





まず今回はイズモギャラリーという、劇場ではないギャラリーを借りて行われるということで座席配置は気になっていて。


ネタバレは見ずに席の話してる人だけをトゥイッター(言い方ひろゆきなんよ)で探し、

「なんでか知らんけど入口の席がよさそう」

という結論に至ったため開場即入口の席に座ってみて、いざ幕があいた瞬間に「なるほどね」となりました。


事前情報ジョイマンです。
(略:ありがとうオリゴ糖)




で、秋本さんが登場して5分くらいですかね。

思いました。


「こいつきんもーーー」

と。


しゃべり方きもー。
うざー。

とニマニマしていた。



綺麗で仕事もできる熊谷さんにはこいつじゃないもっと良い人がいるのではと思ってしまったが、まぁ仕方がない。いろいろとあるのだろうから。


そんな役をそんな風に見事に演じていた秋本雄基という俳優さんはやはり只者ではないし、この人が出ている舞台で未だ一度も面白くなかった舞台に出会わないのだから信用しかない。



それにしてもあのタイミングでの「眼鏡なのにスポーツ推薦」は秀逸でしたね。


(関係ないけど真空ジェシカの「理系のおばあちゃんはじめて見た」っていいよね)






今回いちばん好きな役どころは浅利さんの演じた不動産ピンクでした。

浅利ねこさんは初めましてで、今回の登場人物の中でわかりやすく狂っている描写も多かったんだけど


なんだろうか。全然理解できてしまった。
あの人の言っていること。


映画を見ても、何をしても、良かったのか悪かったのかよくわからない。何をしても自分という人間のこともわからないし、よくわからないけど、これだけはわかって、これはエロいかエロくないかはわかって、だからあの人にとってそれは大切なものになっていたし


もちろんあのシーンは「何をわけのわからないことを大真面目に話してるのこの変身前のピンクは笑」という笑いは合っているし自分も笑っていたんだけど

それと同時に「わかるなぁ」という気持ちはたぶんみんなどこかにあって。


「わかるなぁ」じゃない人も「うーん、なんかそうなんですね」というあの人の話を受け入れてしまうような何かを浅利さんの話し方は持っていて、こんな風に正直を正直に演じられるのってすごいことなんじゃないかと思って、とても好きな1人でしたね。




熊谷さんはアガリスクで見ていたのでその信頼そのまま素晴らしかったし、おとなしそうな常識人のオーラを放っているからこそ、そのギャップの部分が際立って、うん、とてもよかった。



川口さんは初めましてだけどとても可愛い人だった。(この流れで外見だけ褒められても嬉しくない)


川口さんの役は、たぶん大事な局面で最終的にはいつもいろいろと諦めてきて、諦め癖でもつきそうなんだけど意外とどの局面でも諦めずにがんばっていてえらいなすごいなと思うし、でもダメだったら表面上はすんなりと切り替えて私は大丈夫なので感を相手のために出すとても大人な人だなと思う。





会場選びのおかげもあってこれを3000円で観られたのだからそこもとても満足だった。


(席によっては入口部分の演劇が見えなかった方もいたようなので、見えた自分からの意見は腹立つかもしれないよねと思いながら今書いている)



2021年観劇よい納めになりましたー
よかったですね (自分


じゃあの

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