映画『BLUE GIANT』ネタバレ感想

映画『BLUE GIANT』






良かった。







原作は、

この映画の題材となっている『BLUE GIANT』(全10巻)


そこから続く

『BLUE GIANT SUPREME』


↑が終わり始まった

『BLUE GIANT EXPLORER』



このEXPLORERのシリーズが今続いているという形。



自分は単行本派で、

最新刊まで読んでいました。







映画の感想ですが、



「よかった」



とかの雑すぎる感想ですら躊躇してしまうくらい

ネタバレしなきゃ何も言えない映画だった。



よかったかどうかすら言いたくなかった。




これから見る人はこの感想は先に見ない方がいいなと思うので、

見ない人、見た人だけ読んでもらった方がいいと思う。




見ない方がいいというのもネタバレのようで、

この世のあれやこれやすべてを気にすると他人に迷惑をかけない方法はしぬ以外にない。

(急に病みすぎ)





主語とか流れは省略するので原作読んでる人にしかわからない言い方になるかもしれません。


ここからネタバレです。












初のアニメ化。

声は、音は、どうなるのか。




声は、

声優発表があり初めて大の声をTwitter上で聞いたとき、

こんなにもしっくりくるものかと思ったし、



雪祈と玉田もいざ映画で見て、

3人とも完璧だった。






音は、

大のサックスや雪祈のピアノは、

最初の演奏を聞いた時は正直思っていたよりは”普通”と思ってしまったところもある。


ドルビってない普通のTOHOさん(トイレみたい)なのもあるかも。



大の音はとても大きくて太くてというイメージがあったわけだけど、

そもそもサックスにおける「大きい」という基準が自分にないから仕方ない。


音楽のことはわからないし、自分にとってはあまり重要ではない要素だから特にここの感想はあまりなくて



なくてだけど、


超短時間で否定するようだが


ただとても良かった。

よくはわからないけど。


ラストの演奏は圧巻で凄かったし、

雪祈の前で初めて吹いた時も凄かった。





話の構成も、

1話から10話まででこの映画として伝えたい部分の本質と関わらない部分を上手く削って、

原作を知っている人には強く伝わるキャラクターも薄く登場し、

知らない人にもなんとなく伝わる、伝わらなくても邪魔をしない作りに。


よかったと思う。







そしてそして



俺が想像していた「映画化」を大きく裏切ってくれた。




こんな話が見れるなんて思って行ってなくて、

見終わった後は、ありがとうの気持ちでいっぱいになっていた。





まさかの原作と違うエピソードになっているなんて思わないじゃないか。






これが見たかった。


このBLUE GIANTであれば、俺は何度も1巻~10巻を見返しただろう。









今も続くBLUE GIANTで多くのキャラクターが登場する中、

最も好きなキャラは今も変わらず『沢辺雪祈』。





だから、というのも違うが、

1巻~10巻を読み返したことはもう長らくない。



1度もなかったかもしれない。




あまりにもひどい結末。


クソ作者めと何度も思った。


雪祈の作詞家という希望は、救いではあったが、

彼がSo Blueに立てなかったこと。



あんなに都合よく、作り手の都合で、

彼が夢の舞台に立てなかったことに。


安易なドラマ展開にクソめと思い、

強い怒りがあった。





大好きで今も読み続けている作品であることとは別の軸にどうしてもある感情だった。



彼の夢を奪う行為をするにあたって、

原作者が安易にそれを決めていないこともわかってる。



↑でクソクソぼろくそ言ったのはただ受け入れられない感情。


被害者である彼を好きな人間として

これを言うくらいは許してもらわないと割に合わない。







映画のパンフレットにあった脚本家のNUMBER 8さんの素直な言葉も嬉しかった。



映画という形であれ、

この物語を俺の夢物語ではなく、本物として見せてくれたことに感謝でいっぱいだった。





そう、

雪祈はSo Blueに立った。



映画版「BLUE GIANT」では、

彼は最後に大と玉田と、JASSでSo Blueのステージで演奏した。




原作もこのエンディングを望んでいたけど、

まさか映画で見せてくれるなんて。



最高だった。

最高のステージで、最高の時間だった。




次、漫画を見る時には、立っていないこととしないといけないのは、

複雑ではあるが、映画の余韻の残る今だけは、


雪祈はSo Blueに立ったということにさせてもらう。









映画が進み、ラストに近づくに連れて、

雪祈が交通整備のバイトをしているシーンが多くなっていった。



そのたびに嫌な気持ちが大きくなっていった。




「あぁ、最悪のシーンきます。」





雪を見上げて祈りをささげた彼の目の前が大きく光った。



次のシーンではもう彼の右手はぐちゃぐちゃになっていた。




2度と見たくないシーンを、また見てしまった。




しぬかもしれないあの状況で1番にやったことが、大への連絡だったこと。



自分が雪祈を好きな理由が凝縮されたようなシーンだった。






でも彼は素晴らしい曲を書くし、

作詞家として超有名になっていつか遠くにいる大のもとにも、

沢辺雪祈の名前が届くんだ。


そしていつか大とまた会うんだきっと。




俺はその未来を信じているから許すよこのクソみたいな結末を。





そんなことを1人でごちゃごちゃと頭の中で唱えていた。





しかし、そんな念仏もむなしく、

頭の中は




ころすころす許さない許さんしばくぶっころす

くそ作者がばかあほたこうんこlkjea9rlてい:え




という感情に埋め尽くされかけていたが、



大と玉田の演奏を聞いて、

玉田のソロ、大のソロ、そして最後のMCを聞いて。






「まぁ」



「いいで」



「しょう」






という気持ちになっていたんだから、

音楽ってすごい。




大と玉田、平、このSo Blueを成功させたお客さん含む全ての人の力で、

自分のぐちゃぐちゃな気持ちが整理というか、

落ち着けた。





とんでもないプレーだった。






映画の予告編も終わり本編が始まる直前にきた真後ろの席のおじいちゃんずが、ちょこちょこ私語するのが映画見ながらもずっと気になっていて。



隣の隣の小学生くらいの女の子も全く気にならない程度には話してたりもした。(これは全然いい)



どこからか聞こえるビニールのガサガサもすごかった。





ただ、ラストの大と玉田の演奏。


そしてアンコールの雪祈とのJASSの演奏中は。




映画館が静まり返って彼らの演奏と自分を遮るものが何もなかった。

全員が集中してただ圧倒されてた感じがあった。




あれはすごかった。





(すごかったけど、年々変な人は増えていて、ほぼ100%変な人近くにいるのでもう映画館で映画を見るというのも難しいのかなとも正直思った日だった)








So Blueで大と玉田が一度下がったところに、

雪祈がお母さんと一緒に現れるんだけど、





「知ってたか、病院ってのは勝手に退院できるんだぜ」





みたいなセリフがダサカッコ良過ぎて



「雪祈ぃぃぃぃぃぃ」



ってなった。



なったし、



「え、え、これなに、え、なんだ」


「え、病院で会うんじゃなかったん」


「え、え、So Blueにおるんじゃけど」


「え、え、」



となった。




いや、まさかの別エンディング。





「解散だ」と言って最後のステージを告げる雪祈。

すぐに現実を受け入れて前しか向いてない大。

理解した瞬間に号泣する玉田。




みんなめちゃくちゃカッコイイぞ。





この3人、ずっとかっこいい。





夢のためにがんばり続けてきた大もめちゃくちゃかっこいいし、



自分の弱さと向き合い精神的な未熟さを改め、豆腐屋さんに行く雪祈も最高にカッコいいし、



絶望的な状況でどんなに恥かいても1から食らいついていった玉田もめちゃくちゃカッコいいし




ずっとかっこよかった







So Blueの平さんに初めてJASSの演奏を見てもらった後、

雪祈は平さんにボロクソ言われて




「あそこまで言うかよ」「言ってくれるのかよ」


と、雪祈は言っていたけど


初対面の平さんが雪祈に対してあそこまで言って”くれた”ことにたいして、

それがものすごいありがたいことだと雪祈が理解できるのは、

雪祈自身も人に対してそんな愛情を持っているからでもあった。



もちろんこの時点では変わらなければいけない段階だったんだけど、


雪祈は常に玉田に対しても厳しい言葉を口にしてあげていたし、

雪祈はめちゃくちゃ良いやつで最初から愛に溢れていた。









結構な人が言っていたけど、

演奏になると、突然プレステ2みたいな映像になって、

3D映像のクオリティは相当ひどいとは俺も思ったし、

演奏のすごさを下げているとは思う。


けど個人的にはあの映像クオリティはこの映画の評価をマイナスするほどの要素ではなかったかと思う。





演奏にこだわってTVアニメではなく映画を選んでいるし、

あの3D映像も、演奏にこだわって作り込んだ結果ではある。



演奏についてはTwitterで感想を見る限り、音が凄いから是非映画館へと言っている人が多いし、わかる人には伝わっているから素晴らしいと思う。



自分はよくわからないし、人間模様が好きで重視して見ているのでTVアニメでもやってくれたら嬉しけど、


ただ、よくわからないけど、すごい良いライブだった。



だからきっと制作陣が2017年から作ってきたこの作品の演奏へのこだわりも成功なんだろう。


よくわからない自分もすごかったと思ってる。







映画の監督はモブサイコ100の監督とのこと。


モブサイコ大好きだからなんか嬉しかったな。






いやぁ、ここまで良かった映画は2年半前の映画ギヴン以来だと思ったけど、

アニメってすごいな。







失敗し続ける彼らはかっこよすぎて素晴らしいんだけど、


雪祈エンディング補正はかなり大きくて、

まともな評価はもはやできない。



本当にまさかまさかで、

今もあれが現実だということに驚いている。


うれしい。


めちゃくちゃ嬉しい。



脚本家さん、原作者さんがこのエンディングを選択した事実も。




長く恨んだ歴史が変わったんだから。笑



よかったよほんとにほんとによかったよ



雪祈、よかったよ



ほんとによかったよ




夢がかなう直前で居眠り運転の車にはねられるってふざけんなよ(もう言うな)





雪祈のソロに対して大が


「毎回同じ」


と言っていたけど



原作と違う景色を見た瞬間のあの感じは、

JAZZを扱う映画でなんかよかった気がした。



雪祈が殻をやぶって、コットンズで最高のソロを見せた時みたいに


制作陣に対して「おぉぉぉ」と感情を動かされたそんな感じ。




パンフレットもすごいクオリティで、

個人的には文句なしの大成功映画。





ちょうどなんかしようと思ってたから、

なんかします。



自己啓発本とか見てやる気になってそれで終わりはもうおしまいや。




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