舞台『only』観劇。

8/3-4

舞台『only』観劇しました。


タテウチプロデュース「m sel.」の旗揚げ公演。


(m sel.ツイッターから引用)



『家族の話』というのは事前に出ていましたが、

自分にはどこかとても刺さる舞台。



ネタバレします。











(追記:あらためて朝起きて冷静になって、なにがどうではないけどなんとなく1回下書きに戻して読み返したくなってるから、すぐ更新するのやめよと思った次第だけど一旦このまま←。)






まずはオープニング。

熱量、圧力に圧倒された。

ど正面、1番後ろの席で見ていて。
4人の感情の爆発。

琴音の頭の中で、
笑い狂う?周りの大人たち。



目の前で紙が舞うって経験したことありますか?

崩れていく気持ちとか、
飛び交う気持ちとか、

目の前で紙が舞う状況って。
結構いろいろ感じます。


この演出に、
ひとりひとりの熱量、圧力に。
まだなにも始まってはいないのに、
グワーーッときてしまった。


人が放つパワーみたいなものって、
小劇場の舞台だからこそ、ここまで感じられて。


すげぇ。

っていうシンプルな感情。


あの「only」に至るまでの演出は、
すごいなって。








高校生の娘、琴音。

お母さんの紗枝。

お父さんの純也。

純也のビジネスパートナー、

音楽業界で働く澤部。






まずは細かいことは置いておいて。




再演でもなく初めて観たんだから、

「俺の思う〇〇像」なんてものは本来ないわけだけど。



俺の思う紗枝は荒牧さんで。

俺の思う純也は三本松さんで。

俺の思う澤部は晶さんだった。



特に三本松さんは、ビジュアル、表情、動き、声。

全てが純也過ぎてね。




琴音に関しては、俺自身が山本真夢を知り過ぎてか。

このカテゴリでの自分の想いはよくわからない。


琴音は。なんというか。

俺の思う山本真夢に近かった。



けど、

なんかすごい大変そうだったから、
本当は全然違うんだろうけど。



口から出る言葉とか態度はキツいけど、

周りへの愛に溢れた人間味のある、、


って褒めるのやめよ。






話の中で大きな波、大きな起承転結があるというよりは、


どこにでもありそうな家族の話。



もちろん本人たちにとっては、

どこでもない自分たちの唯一の時間。

ひとつひとつが大切な話。



でも、誰にでも起きる話。




開演前の音ひとつとっても、

純粋に駅前等の外にいる琴音ということだけど、


始まる前からどこか日常を感じていたのかもしれない。







90分のうち、70分は単調のようにも感じる展開。
大きく動き出すのは残りの20分。

かもしれないんだけど。


その70分にあるたくさんの愛に触れて、
涙が出た。








振り返ると。



家にきた澤部を紗枝が返した形になって。
琴音と紗枝がぶつかって、琴音が家を飛び出して。
澤部を追いかけて?いや、偶然会ってか。
音楽をやりたいという気持ちを伝えるシーン。



天国の純也が、苦しむ紗枝を見守る。
"どうすれば"というその表情は寄り添うという側面と、どこか"(先に旅立って)ごめんな"って気持ちもあるのかなとか。



続けて自分の気持ちを言葉でちゃんと澤部に伝える琴音を。


純也はほんとうに優しい笑顔で見守る。


優しい笑顔で。ほんとうに。
ほんとうに優しいんで。






"純也ァァァァ(涙ツラーーー)"








"琴音ェェェェ(涙ツラーーー)"








"紗枝ェェェェ(涙ツラーーー)"







"ついでに澤部ェェェェェ"


(真顔)






と。
純也の笑顔ってなんか特別でした。





優しくされたいときの純也の笑顔は温かくて。
怒って欲しいときの純也の笑顔は温か過ぎて辛くて。







回想シーンになるとまた。
紗枝も琴音も幸せそうでね。

気持ちにゆとりがあって。

同じようなやりとりでも笑い話になるっていうのが。


なんていうんすかね。


共感。
じゃないけど。


なんだろうなぁこの感じ。






回想シーンでいうと、
幸せを確かめる両親2人のやりとりの

「(娘が)自分でやりたいことを見つけてくれて」

って純也の言葉とか言い方とか。
ほんとに、なんだろうなぁ。

なんだかなぁ。




普通やりたいことなんて見つけられないから、
「やりたいことを見つけてくれて」
っていう幸せはほんとにそうだなぁと思う。



それと同時に、それをどこまで応援すべきか。
娘の将来を想う今の紗枝の気持ちも。


みんなの気持ちがわかる。





テストの点数で、ギター取り上げようとするのとか。

もうマジでいわゆる普通の家庭あるあるじゃないですか。


ね。








純也が亡くなって。

"自分のせい"だと思う

澤部。
琴音。

そしてある意味、紗枝も。

その気持ちもわかるし。







純也に、「他人の曲として出す」と伝えた澤部の気持ちも。


悔しく仕方なくて、
闘ってもダメで、
プロとしてドライに伝えようとして、
でもやっぱりそんなことは出来なくて、
純也の優しさがまた悔しくて。


わかる。

みんなの気持ちがずっとわかる。





もちろん、純也の。

どこに向けていいのかわからない、どうしていいのかわからない悔しさ?

悔しさとかで表せないよな。
いろんな人の気持ちを考えたり
自分の気持ちと向き合ったり。

もう感情ぐっちゃぐちゃですよね。









そして。


娘のことを想う紗枝。
紗枝の気持ちをわかってる琴音。
紗枝に気持ちをわかって欲しい琴音。
その気持ちをわかっている紗枝。


常に両思いの2人の
なぜか交わらない想いが。


すごくわかる。








"昔のように"



お母さんが自分のために働いて。
ほんとうにがんばってくれて。

でもそのために自分と向き合う時間はなくて。
それが仕方ないってわかっていて。

いつもコンビニ弁当で。
このコンビニ弁当もお母さんが働いてくれたお金で食べられること。

わかっている。
お母さんが常に自分のことを1番に考えていること。

わかってる。
けど。

お母さんと一緒にご飯を食べたい。
お母さんと話がしたい。
お母さんと一緒にどこかに行きたい。


昔みたいに。



どこで間違えた?
お父さんが亡くなった。

みんな余裕がなくなった。

お金がないから?



音楽で成功して、私がお金を稼げれば。


"昔みたいになれるの?"








いや、もうコレ書いてるだけで泣きそう。
うるんでしまう。

反抗期って言葉が正しいのかわからないけど、

自分も親に対して反発したし、
親に対してたくさん感謝もしてる。

親は、いつも本当に自分のためにたくさんたくさん。


小さい頃、親にしてもらったこと
ひとつひとつ、ちいさなことだけど。

どれも思い出すだけで泣けてしまう。
舞台を見ながら泣けてしまう。




今もお盆、GW、年末は実家に帰るし、

上京して10年。
未だに少なくとも2週間に一度は電話したり、
ツムツムのハート送り返したり。


両親がケンカしてると、姉からLINEきて、
電話したり。


というこのonly観てたときも。
スマホ起動したら、
姉弟グループLINEに姉から

「お父さんとお母さんがピリピリモードで、、早くお盆帰ってきてーー」

って来て、ちょっと焦ったり(苦笑


話逸れすぎたけど。

なんか、自分の親のことを考えてしまいます。





話戻って


紗枝が亡くなる前。

大喧嘩して、気持ちをぶつけて。


それをきっかけに、
つながらない両思いの愛が少しずつ繋がろうとする。

向き合うことを恐れずに、少しずつ。




紗枝の最期の言葉。

「今日仕事休んだから!一緒にご飯食べない?」

「なにか食べたいものある?」





琴音の返事は、

「麦茶きれてたよ。」








"お母さん、一緒に食べよ。"



"ママ、一緒に食べよう。"








でもそれを聞けたのは、
俺らだけで。




琴音はすれ違っていたお母さんの気持ちと繋がったけど。

紗枝は繋がったその瞬間を感じることなくこの世を去る。





オレの中でどう捉えよう。



バッドエンドか
ハッピーエンドか



いや、その線引きは必要か?
物語はそのどちらかしかないのか?


そういうことではないなと。




琴音と紗枝が喧嘩する前。

澤部と紗枝の会話を聞いているから
俺たちは、琴音が紗枝の気持ちをわからず、
ひどいことを言ってるように感じるんだけど。


琴音の口から出てくる本心と逆の言葉の数々に。

琴音が紗枝に尖った言葉をぶつけるたびに。


うん。
うん。

違うよね。
わかってるよ。

と、いろんな愛情で包み込みたくなるような。

そんなシーンで。



もう高校生。

まだ高校生。



自分が変わろうとしてる。
こうなったらいいな。

を思い描けば描くほど。
お母さんへの愛が強くなればなるほど。


そうじゃない時に反発力は大きくなる。


澤部の

「お母さんとちゃんと話すんだよ。」



が。

別の意味を持って伝わってしまう。




辛く、優しく、いろんな愛の感情が渦巻いたシーンでした。











ラスト。


「明日が来ることを当たり前に信じていた。」



という琴音の後悔に対して。


「それはみんな誰しもが信じていることだよ」


と、澤部が間髪入れずに言ったところが。



個人的にはとても。

なんか、


きたんですよね。

ガーッと。





澤部もまた、純也との未来を見ていた1人でもあったわけだけど。









「明日が来ることを当たり前に思っているやつら」








SHOOTING PAINで小春を演じることになったタテウチがよく言っていたことでもあるけど。


どちらかといえば、

むしろ"小春も思っていた"に過ぎず。


こういう思想はもっと前から、

きっとタテウチの根底にあったように思えて。



琴音の言葉であり、

タテウチの言葉であり。




でも、それは誰でも当たり前に信じていることで。




琴音は、
父親の死で痛いほどわかっていたのに、
また後悔を繰り返す。

人間は間違いを繰り返して。
そのたびに悔しい苦しい想いを抱えて。

それなのにまた間違える。



"誰しもが思っているから今日を間違えていいのか?"


それは違う。

けど。


あらゆるものの線引きはなくて、

今の自分が考えて思ったことをどう伝えていいか、

うまく言葉が出てこないけど。






歳を重ねるに連れて、
今日という日の大切さは昔よりもわかってる。
次の瞬間どうなるかわからないことなんて。
みんなわかってる。


でも明日が当たり前に来ることも信じてる。



それはみんなそうで。


一見なにもわかっていないような目の前のバカ面のチャラ男も。

まだなにも知らないようなその辺の高校生だって。



みんないろんな悲しみを背負っていて、
その重さのおかげで踏ん張れる瞬間があったり、
その重たい気持ちに耐えきれず、時には誰かに一緒に支えてもらう日があったりして。



同じ人なんていないけど
みんなも何かしらの重さを持ってる。
って。


そういうのを常に思うことは無理でも、
落ち着いたときにそういう、なんだ、
リスペクトとは違う、思いやりみたいな、ちがうけど、何か相手に対する思いは持っていていいのかな。とか。










オープニングとエンディングは、
琴音が突然難しい言葉を話し出して。


琴音というより、天の声口調に。


この演出、何年振りかにどっかのだれかを感じた瞬間ではありました。




それぞれ、孤独に包まれたときに
「only」が浮かび上がるのも。


敷き詰められた答案用紙も。


この白い世界も。


ギターを抱えて寝る琴音も。


ラストの曲も。




好きだった。
ラストの曲。めちゃ泣ける。

なにあれ。
なにあれマジで。


こわっ

めちゃ泣けるあれ。
なにあの曲。こわっ。


めちゃいい曲じゃん。あんなん。











細かいことを言うと。


はじめの方の澤部と紗枝のやりとりに。

エッチな要素とか、
スベってるやりとりとか、
必要なの?

って、あの瞬間は思うんですけど。


個人的には、

"澤部ってそういうやつ"なんで。



あの瞬間はうーんって思ったけど、

最後まで観ての感想は、

澤部ってあーいう人で
なんか、「澤部だなぁ」って思うんですけどね。


もうね。
澤部に関しては、噛んだりうまく言えなかったりですら、澤部だなぁって。


澤部って卑怯で。


まっすぐで、ドタバタしてて、うまくいかなくて、でもアツくて、気持ちのある。

こんな人と一緒に仕事をしたい。

いいやつだから。


俺は、あのノッキング的なやりとりも、後には澤部らしいなって思いました。




山口さんと終演後お話したら。

それにしてもバタバタしてて(笑)
シャキッとした男性ではなくて←

もうなんか「この人卑怯だ」って(笑)

いい意味で。
こんなの好かれるわって(笑)





荒牧さんはたしかにシャキッとした女性で。

大人の女性の良い声で。

紗枝の疲れてる話し方とか。
回想シーンの浮かれている表情とか。

素敵でした。


パンフレットの苦しんでる写真かわいい
(突然気持ち悪い感想ぶっこむ)





三本松さんは何回も言ってるけど、
もうこの人が純也だから。

でも、
パンフレットのインタビューでは、
「全然自分と違う」って書いてるから


え。だとしたら、逆にすごいけど。

ってなりましたよね。
自分が素敵なの自覚してないだけなのか、

カッコつけてる姿に俺が騙されてるのか。

騙されてるならそれもまた良い。






まゆおは。

なんかここに書けないっ。

オマエはホントに。
すごいよ。

って思う。

でもまぁちょっとは書こうか。

うーん。でも。
たいして何もわかってないちょっと演劇観てきた俺が、書けることが。

ちっぽけな表現になる気がして。
なんかいやだ。

こんなに信じられる他人はほんとにいない。

こんだけがんばったんだから、
どこがどうとか、細かい話をしてあげるべきなんだけど。

してあげるっての違うよね
うーん。でもやっぱなぁ。

まぁ直接話せる機会があれば、
またなにかしらで伝えよう(笑)

とりあえず俺の感想なんていいから、
平さんの言ってることを大事にしろ(笑)












帰り道。


下北沢のいつもの当たり前の景色。

この人たちもみんながんばってる。
生きてる。



とか思いながらね。







m sel.1発目。

すごくよかった。
またやって欲しい。


パンフレットのインタビューを読んで。

なんか、いいなーと思った。


グッズも、
Tシャツのセンスも
ゲネプロ写真のシーンのチョイスも。

すごくよかった。



タテウチの頭ん中を。
この人たちの演劇をまた観たい。





細かいことは、、

オレからは特にない!

言うほどのことは別に!←笑




なんか意外とタテウチが冷静というか。

タテウチが意外と客観的に見れていて。
まーこういう人だったかって気もするけど。


いや、まぁでもホントに特にないなぁ。



初日と千秋楽に行って。

千秋楽に行ったら、
タテウチが初日とは比べものにならないくらい良い顔してて。


なんか、よかった。







うーー



たった2日で終わってしまって。


別に長くやってたからってたくさん観に行くとか、そういうタイプでもないんだけど。


2日で終わるってこんなに寂しいんですね。




明日からどうしよー

ずっとコレたのしみに生きてたーー笑







でも、
自分の中でずっと残ると思う。



ほかの演劇もそうだけど。
観て、はい、おわり。
じゃないけど。



この舞台は、たぶんずっと。
自分にとってはずっと残ると思う。


なんか、人を感じた公演だった。


俺は、いい人たちに出会えた。

いい人たちに出会えてた。




書きたいこと書けたかな。
あとから、あれもこれも、あそこがね!ってのが出て来そう。

更新するの迷うなぁ。
でも、それはまた書けばいいか。





あらためて


m sel.始動、おめでとう


俺の明日に、楽しみが増えた

















終わった感出したところで。


劇団入団からしか知らないけど、
タテウチの足跡を。


全部じゃないけど、ほぼ全部。
どれも個性的で、素敵な役ばかり。

本当にあらためて。もう一度。

m sel.はじまったね。

おめでとう!

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