舞台『真説 LinKAge〜凛国異聞』観劇
劇団GAIA_crew第15回本公演
「真説 LinKAge〜凛国異聞」を観劇しました。
12/6(金)のソワレ
朱の乱に。
たぶん再演ですが、自分は初リンケージ。
結論から言って、かなり好きでした。
2019年俺アワードに滑り込みノミネート。
なにそれ。
結城夕夏、通称"YY"が出るということで、
あらすじとかは読んでて良い感じかなぁと思ってたんですが、
あまりちゃんとは追えていなくて。
そんな中、上演時間が3時間15分と前説で知ったときには、
池袋まで1時間半はかかる身としては
という気持ちだったのと、
そもそも人間の集中力の限界と言われる2時間に収めること自体も
ひとつのプロとしての云々だとか
我が脳みそ内でクソじじいの会話が始まりまってました。
でも、観終わった今はむしろありがとう。
2時間でこれが出来たらなお良いけど、
実際、休憩の頃にはちょっとテンションあがってましたね。
あと、ひどいこと言いますが、
外方者のひとたちってビジュアルがカッコよくない。
はず。
なんだけど。
めちゃくちゃかっこよかった。
逆に
千鶴が登場したときに
「この世にこんなに可愛い生き物って存在しましたっけ?」
って聞いたくらい。
脳内のクソじじいたちに。
今回はイケてないけど、
いや、イケてないからこそか
全員、すっごいかっこよかった。
じゃここからはいつも通り自分用の細かいやつ。
みんなよかったって書いてるだけなんで、読む必要ないし、
最後まで読むのは不可能です。
さようなら。
ざっくりは王道ストーリー。
ただ、リンケージの何が良いかって、
戦いの中で死んだやつらが、
戦いの中でちゃんと死んでいること。
ワンシーンずつ熱くなれたし、
ちゃんと彼らの死を理解出来る。
話の整合性とか細かなクオリティで舞台の印象はここまで変わる。
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仲間が「ここは俺に任せろ」と言い、
敵と相打ちを繰り返す。
ひとりずつ減っていって最後ボスに辿り着いて。
ボスをあっさり倒してあっけないなと思ったら、
本当のラスボスみたいなの出てきて。
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っていうテンプレだけど
結構ありがちなのが、
物語の中ではなく、このストーリーにしたいがために
無理やり死んでいて全く共感できなかったりするやつ。
でも、今回の彼らはちゃんとリンケージの物語の中で死んでたのが、
なんか全然違うなぁってなりました。
全ての場面で"ここはオマエが残るべきだな。"という共感もあったし、「コレが見たかったんや」感。
刃が「敵討ち」と思って命をかけて戦っている相手の【おまえじゃない感】。
よかったなぁ。
「え、雲角を秋水が倒しちゃうの?」って。
雪と鉄、鉄と秋水、秋水と雪との関係性も
雲角と秋水の対比も
ここはわかる。
ただ、雲角は刃じゃないのか。
からの
刃が虚二郎と戦っているときのあの虚しさ。
間違ってはいない。
間違ってないけどおまえじゃない。
トドメを刺したのはそいつだが。
おまえじゃない。
で、また、
巽との戦いの中で傷ついた虚二郎の腹部を意図的に狙って戦った刃の姿が。これがまた。グッとくる。
巽は無駄死にではないというだけでなく、
傷ついた虚二郎を見て、仲間が負けたということも理解して闘う中で
「倒したぞ」というメッセージが巽にまで届くあの感じが。
鷲が残った最初の場面。
彼が既にヤバイ状態で最後まで一緒には難しいことをわかった上で、
彼の気持ちを尊重し、残す決断をあっさりとした巽。
あっさり判断したところに、
彼の温かさと覚悟といろんなものを感じて
とてもよかった。
艮の戦闘シーン。
ここが一番グッときたかも。
弱かった彼が
あの状況で一人残り戦っているメンタルの面もだけど
しっかりと敵を倒して『強さ』が見えた。
「オレ、少しは、やれたかなぁ」みたいなことを言って最期を迎えたけど、
ビッグツリーシアターは
『やれたよぉぉぉぉ~~~』
の大合唱でしたよね。
鉄と秋水の戦いは、
「そんなわけない」という生命力を見せた鉄に対して、
「そんなわけない」って感じなかったです。
圧倒された。
ここは言葉では表せない。
精神力という言葉ではあまりにも足りないし、
何度も急所を切られても立ってくる彼を見て、
「そんなわけない(笑)」
胸を締め付けられる感じが確かにあった。
で、薊と牙の殺陣。
序盤から薊が動くたびに「あー良い」ってなる。
殺陣がすごいのはそれだけでスペシャル。
薊と牙が闘うことになって、
もちろん二人の関係性も最初のシーンで描かれていたので
特別な感情はあったけど、”そういう意味”でも嬉しかった。
「あの二人の戦い(殺陣)見れんじゃん」っていうワクワク。
そういう観点だと、雲角の殺陣はもっと狂気的だったらよかった。
表面的な"強さ"がもっと見えたとしたら、内面的な"弱さ"がより引き立った気がして。
狂気さは見えたけど、強さは全く感じられなかったのが少し残念。
殺陣もそんな稽古してさぁどうぞではないのでわかってはいるけど、キャラ的には雲角の殺陣がすごかったらなお狂気的で強くて弱い部分がハッキリしてよかったなぁと思った。
楊禅が登場したあたりから物語は大きく本題へと進み始めるんだけど、
たぶん話の展開や楊禅というキャラクターだけではなくて
あの役者さんの登場によって舞台の期待値がグッとあがった気がする。
「なんかこの人すげー気がする」って思えた
あの人がしゃべった瞬間。
そして二人のヒロイン。
千鶴と静果。
千鶴は本当に可愛かった。
前述で周りがカッコよくないからとか双方に失礼ぶっこきましたけど、
そういう問題じゃない顔面クオリティと明るさ、そして衣装。
活発でまっすぐで強い千鶴。
歌声も含めてまさに100点の千鶴として生きた。
あの子はおばあちゃんになっても死ぬまであの顔だろうな。
静果。
加治屋の娘として、常に「普通」であったが、
登場人物の中ではごく普通であることの方が異色。
結城夕夏もこれまでの舞台では、
自ら戦う役が多かったけど、
今回は一緒に闘いたくても戦えない役。
ただ待つだけというのは、
千鶴もそうだけど、相当強くないとできない。
ただこの2人が強いわけではなくて、
そうならざるを得ないというのもつらい。
外方者たちが他の人々と変わらない1人の人間であること。
この2人への愛、この2人からの愛。
いろんな愛を表現してくれた2人の存在だと思う。
ラスト、語り手の女の子が、葵と薊の子だったとわかるんですけど。
「ほんまに、よーできた話やで~」
って劇場でほぼ言いました。
言いましたねもはや。
外方者にだけ聞こえる声で。
碧の陣は観れてないけど、配役の入れ替えマジで良いと思いました。
あーあの人のあの役いいなぁっていう。
その辺もよく考えられてる。
ひさびさに「コレきたぁ」って感じでルンルンで劇場を後にしました。
YYにも感謝。
今年も終わりに近づいてるけど、
2019年はYYにゲリラ的に会えて本当にびっくりした年だった。
前にブログに書いたけど、
アリスインの舞台に(めずらしく?)自分の好きな役者が出ていて、
普通に予約してHP見てたら、結城夕夏の名前があって。
そのサイン会みたいなので名乗る流れで、
「え!嘘。ほんものですか?」って言いながら、
話してる途中でも「え、本物!?」って何度もキョドってる姿
ホントにおもしろかった。笑
嘘みたいなリアクション。
昔、Showroomをたまに見てただけで。
それだけ。マジでそれだけ。
しかも、ホントにたまに。
コメントも他の人の20分の1くらいしかしてないと思う。
だから絶対覚えてない、どころかそもそも知らないと思ってた。
で、この日も名前聞いたことあるくらいで、この天真爛漫な反応なんだろうと思ってた。
けど、サインの横にカエルの絵を書いてくれて、
「アバターカエルでしたよね?」って言われて。
俺も2年くらい前のことで覚えてなかったけど、
確かにあの時はカエルだったから
「この子、マジか。」
ってなったやつ。
2019年の結構な驚き。
何年か前のあの程度の関わりしかない自分を覚えてたなら、それは天才とかのレベルではなく、見に来た人をノートに書いて一生懸命覚えてた努力でしかない気がする。
舞台役者にとっては当たり前なんだろうけど、
毎日自分扱いで来る人をチェックして。
必要であれば予習して。
舞台で良いもの見せてくれれば、面会とかどうでもいいのに。
どうでもいいというのは、きっと俺も、俺がもし役者ならどうでもよくない。大切だと思うけど。応援してくれる人は。
でもお客さん目線としては別にどうでもいいこと。
稽古中インフルで休んでも、自分がヘタクソでも、
台本読みまくって休み明けに別人になって帰って来たり。
Showroomなんてクソどうでもいいコンテンツで小さな世界だけど、
ちゃんとしてる人はどこで何をしててもちゃんとしているし、
YYはいつもちゃんとやるべきことをやろうとしている。
まぁちゃんとしてるしてない関係なく、
関係あるけど、関係なく、
この人は見てるだけでおもろいから
俺はきっと来年もこの人の舞台に関しては、
多少つまんなそうと思ったやつでも今のとこ観に行くんだろうなって。
でもつまんなそうなの行きたくないし、
今回みたいなやつに出て欲しい。笑
と、余計な話が長くなった。
とにかく。
リンケージ、素晴らしかった!!
12月はチャンスあれば、フクロウガスムも観たい。
今年おわるーーー
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