映画「ギヴン」と。

映画『ギヴン』を観ました。



登場人物すべての人が、自分に関わる人みんなを想い続けていて、

悪役がいるわけでも、起承転結の大きな「転」があるわけでもないのに、


みんなのいろんな種類の愛と思いやりが交差して、

終始、心が苦しく、辛く、悲しく、優しく、嬉しく、包まれるような気持ちになりました。





大きく脱線しますが、ギヴンを知ったのは主題歌を歌うセンチミリメンタルがきっかけでした。





センチミリメンタルを知ったのは去年の3/31。


仕事&別件で名古屋に行った際、少し時間があったので、近鉄パッセのタワレコであったインストアイベントを観に行きました。



普段から出先で時間を見つけてはタワレコとHMVのイベント情報を見て、知らない人でも少し調べて観に行くのが軽くライフスタイル化していて。



知り合いからは「ミーハーとかじゃなくもはや誰でもいいんじゃない」と若干馬鹿にされていましたが、こちらとしては、この世界はもっといろんな人の音楽で溢れているはずなのに、テレビに出る人は本当に限られていて、そもそも音楽番組もほとんどなくなった今、


知らない音楽を100回聴いて1回でも自分の好きな音楽に出会う可能性があるのなら行きたいというだけの話ではあるんですよね(長い)。

(がんばって探すのではなく生活のついでに無理なく出会うことを大事に)




とはいえ期待して行くことなど少なく、1曲聴くかどうかでその場を去ることが多いんですが、この日は違いました。


SEENA SHEEP SKIN、里緒さん、センチミリメンタルの3組が出演するイベントで、
全員存じていなかったけど、みんなよかった。

そのおかげで3組目のセンチミリメンタルを聴くまでその場にいることもできた。

この日のセトリは覚えていないけど、
「トワイライト・ナイト」を聴いて、"ヴッ"と来たのは鮮明に覚えていて。


と言いつつ残念ながら新幹線の時間に間に合わないとなり、


曲の途中で近くにいたスタッフさんに「センチミリメンタル」の名前と「今歌っている曲は東京でもCDを買えるか」を確認してその日は東京に戻りました。



それから「トワイライト・ナイト」のCDを発送してもらい、


Youtubeで「死んでしまいたい、」「wear」などを聞き、音源を買いました。


そこから半年弱でアニメ『ギヴン』の主題歌が決まり、

今回の新曲『僕らだけの主題歌』と映画『ギヴン』に繋がっていますね。




この主題歌が公開されてまずはYoutubeで聴き続けるうちに、「この主題歌の映画を観たい」と思うようになりました。





アニメ版『ギヴン』については、


主題歌が「キヅアト」に決まり、曲は聴いていたけどアニメを見るまでには至っていなくて。



ただ一度だけ観たことがあって。


それは偶然、寝る前にテレビをつけたらやっていて、
「あ、これミリメン兄さんのアニメだ。こんな時間にやってたのか。」と流し寝しようと布団に入ったんですが。





ただ、

この時観た回がまずかった。



第9話「冬のはなし」




ライブシーン。


『まだ』の第一声で目を開き、「え」となって。


『溶けきれずに残った』


で布団から身体を起こした。

深夜1時にテレビを食い入るように観た。



このライブシーンだけを見ても真冬に寄り添うには十分で。


そのあとの色々も(BL作品とは知らず)、いろいろあるんだなぁと思いつつ、

アニメのライブ映像に心打たれたあの日のことはとても覚えています。





前置きが長くなりましたが、映画の感想を。


映画の公開前日8月21日。

「僕らだけの主題歌」を聴きながら23日の映画を予約し、

22日に急いでTVerの無料放送で(出前館のCMに負けることなく)アニメを全話観ました。


BL作品とわかった上でもアニメ版ではそこまでそれを感じず。
(あったらダメとか否定しているわけでも偏見もなくただの感想)


個人的にはどこにでもある人間関係とバンド要素が強かったけど、

映画版ではアニメ以上にBL要素というか恋愛感情やそうした描写が強くて。

なんかそれを見てて最初の方は、なぞの違和感もあって。

BLどうこうのそれ云々よりも、なんでしょう。


まず映画館に入って初めて知ったんですよね。

お客さんの9.9割が女性で、「え、オレ場違いだった?」という。


で、お客さんがたくさんいる映画館で一緒にそういうシーンを男の自分が?観ていることを客観視した時の違和感というか。


周りに自分がどう思われているんだろう(どう思われてもいいのに)という変な感覚があったのは事実であり、もう一度映画館で見るかというと自分は若干抵抗があることは隠す必要もないかと思って今こういう感想も含めて書いています。


あれなんなんでしょうね。

「なんで俺、今居心地悪くなってるんだろう」って結構不思議でしたねぇ。


パラサイトを飛行機で見てたときに突然そういうシーンになったときの、後ろの人に観られてないかな?っていうアレに似た感情というか。

慣れてないだけかな。




自分はまだ偶然女性にしかそういう感情を抱いたことはないですが、

この作品でBLを描いている意味はあるのだろうし、

様々な制約や制限、いろんな気持ちの葛藤などは男女のソレよりもあるんだろうし。


そこは、言葉は違うかもしれないけど「普通の恋愛」との違いに意味はあるんだろう。

ただ、自分はあんまりそこの違いを理解できていません。


なのでこれから書く感想がこのアニメの良さを否定する形になっていたら申し訳ないです。



この映画を見て、正直、相手が男とか女とかは、この映画の大事な部分を受け取る上ではあまり関係なかったと思っていて。


彼らの感情の起伏にはものすごいまでの共感があるし、

圧倒的なライブシーンは映画館での振動含めて期待していたものだった。


映画の後半は本当に心が揺さぶられて、
最後にミリメン兄さんの主題歌が流れている間は



ずっと泣いていました。



過去のアレコレを思い浮かべたり。

今のアレコレに感謝したり。


「僕らだけの主題歌」を聴きながら。

歌詞を受け取りながら。


たくさんの感情が襲ってきて。




この曲を聴いて思い浮かべる特別な人達がきっと誰しもいるなって。




「僕らだけの主題歌」の歌詞が、ギヴンの登場人物の誰と誰を繋げてもなぜか当てはまってしまって。



『今度後ろを振り向くときは
手でも振って 笑いあえたらいいな』



も。

もちろん雨月が振り返って泣いていたあのシーンはバチバチに思い出されるけど、

他のキャラクターに当てはめても、さらには自分の過去を振り返っても。



ほんとに、ギヴンを取り巻く音楽すべて。

キャラクター、ストーリーに寄り添いまくってる上に、

なぜか自分にもグサグサのバッチバチに寄り添ってくる。



ものすごく自分に心に突き刺してくれる。



ギヅアトの「春夏秋冬」は彼らのことも含めているのはアレとして、

「雨、晴れ、曇り」に雪(由紀)が足りないのとかは、

365日いつなんどきもを表す表現だっただけの偶然なんですかね。


偶然かは置いといても、

ほんとに歌詞すごいです。







家に帰って以降ずっと

・僕らだけの主題歌
・夜が明ける
・冬のはなし
・まるつけ
・キヅアト

これらを聴き続けてますが。


本当に良い曲ばかり。

なんでこんなに刺さるんだろう。

なんだけど、

映画で聴いたときのように涙が止まらないまでにはなっていなくて。


何が言いたいかと言うと、音楽だけで泣いていたわけではなくて。

あの日のあの涙は映画をまるまる観た上での感情で。


センチミリメンタルの音楽も素晴らしかったけど映画ギヴンもやはりとても良かったなということ。





そうそう。誰でもそうなんだけど。

特にセンチミリメンタルの音楽は1曲まるまる聴きたい音楽で。



『死んでしまいたい、』も『wear』も、今回の『僕らだけの主題歌』も。

「このフレーズが良い」とか「ここが好き」とかあるし、切り取っても十分伝わると思うけど、
最後まで聞いて完成する感情という感覚が強くて。


ここが自分がセンチミリメンタルを好きな要素のひとつかなって。


毎回TwitterやYoutubeでも歌詞を大切に表現して、自ら伝えてくれて。
曲に対するYoutubeのコメントも、どれも素敵で。


センチミリメンタルの音楽は、歌詞は、
きっと多くの人の今を肯定してくれる音楽で。


ネガティブな部分に目をつぶって、ポジティブな言葉で奮い立たせるんじゃなくて。


ネガティブな部分は黙ってただただ話を聞いて、うんそうだねって受け入れてくれた後に背中を押してくれるような音楽ばかり。



間違えてしまった過去も、間違えてしまう未来も、
肯定してくれる音楽だからこそ、逆にちゃんと生きようと思えて。


この音楽に出会えたことはとても嬉しい出来事で、
だからミーハーだろうが、新たな音楽に出会おうとしたあの日までの自分をえらいねって自分で肯定してあげたい。 





こんな長いブログを書いていたら、8月26日。


ギヴンのアルバム「gift」。

センチミリメンタル「僕らだけの主題歌」。

の発売日と思っていたけど、


なんとYoutubeに「まるつけ」のショートver.のMVが公開されましたねーー

大好きな歌詞。大好きな曲です。


リンク貼って終わります。

長々とm(_ _)m


■ギヴン 『まるつけ』-Music Video-(Short ver.)

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